Temo che combatterò la primavera in blu.

ほとんど昔の、嘘と本当の交じった日記

言葉を尽くしてみろ、小論文5なら

 昔の恋人のストーリーズはあまり見たくないので、突然流れてくると慌ててスワイプで飛ばしてしまうのが常だ。ただ、その一瞬の間はまるでびゅうと通り抜ける風のようで、懐かしい匂いについ後ろを振り返ってしまう。過ぎてしまえばもう何処にも姿は無い。溜息と、幸せならOKと心の声をぽつりこぼして、僕はまた自分自身の道を歩いていく。(そもそもフォロー外せば良いじゃん、という意見があるだろうがこれはそういう話ではない)

 人生は宇宙旅行みたいだ。無限の選択を繰り返して、人は唯一無二の旅をする。あてのない孤独な旅。同じ景色を観る者はいない。ただ一人、生涯を通じて連れ添えるパートナーだけが、それを限りなく分かち合うことができるのだと思う。人工衛星スプートニク2号は眩い光を放って、空の彼方へ消えていった。スプートニクと同じ景色を観たのは、宇宙に初めて行った犬、ライカだけだ。はじめから地球へ帰る術を持たぬ衛星と、ライカは運命を共にした。僕は君が居なくなった地球で、ライカの観た景色を夢にみる。夢に見るしかできない。

 落ち込んでいた時、好きなバンドのフロントマンは、古い恋を忘れるただ一つの言葉を教えてくれた。「死ね、バカ女!」。死ねという言葉は肌に合わなかったけど、もうどうでもいいやと何度も思うようにした。そうしてあなたとは関係の無い日々を重ねていくと、いつかまた、僕はライカになる夢を見てしまう。やがて幸せな夢で会うことが多くなって、目が覚めたらまた話したくなってしまう。馬鹿。まだ僕の言葉に意味があると思っているのか?

 言葉では届かないところまで行ってしまった人。ストーリーズは見たくない、なるべくは見ないようにしている。話すことも出来ないくせ、心を盗み見るような気がして。幸せならOKです。本当はよくない。でも笑えているなら嬉しい。だけど、君の悩みのなかに過去の自分の面影を見つけてしまったときに、僕はどうしようもなくなる。この期に及んで君のなかに居るかもしれないことへの喜び。君のなかの自分の存在を信じて疑わない己の傲慢さ。それでも話すことが出来ない意気地無し。他人の目、何もかもを失う恐ろしさ。恥ずかしい希望。すべてを捨てて駆け出そうとする熱病の心。狂ってしまいそうになる。あれ以来で何度か話をする機会はあったけれど、そのすべてで失敗している。君の前では上手く言葉を紡ぐことができなくなる。言葉を紡ぐという感覚でいることが間違っているのかもしれない。僕のすべてをさらけ出せたら。

 君の心と辿り着いた結論が、冷笑的なモノになりませんように。その結論を僕は否定したい。君は自分よがりでも自分中心でもない。ふざけるなとブチギレたい。泣けてきた。間違っていないよ大丈夫。君は悪くない。君より優しい人には会ったことがない。気にしいすぎる所があったけれど、それは誰かの事をいつも気にかけている証拠だ。いくらでも悪く捉えることもできる、でもそうしないでくれ。それが君の素敵なところだよ。誰よりも感受性が優れているからすぐに泣く。映画の予告編で泣く君の感受性が愛おしかった。あれ何本も流れるから、何回泣くんだよと笑った。僕の花粉症用ティッシュを使い切るなよ。

 君は小論文の成績の良かった僕をいじったけど、よっぽど君の文章の方が綺麗だった。純粋でまっすぐで優しい、嘘も過去への偽りもない。僕は言葉を嘘に使ってしまえるから、言葉を嘘にしてしまったことがあるから、僕の文章はすべてクソになった。死ねばいいのに。本を読むようになったんだってね。まじで、むっちゃ良いと思う。最高。良かったなあ。一度教えてくれた本はときどき読み返してる、面白かった。いつかまたおすすめ教えて。好きな本をおすすめし合える関係になりたい。なりたかった。本当に心を打たれた文章だった。食らったわ。素敵な文章を書く人は、間違いなく素敵な人だ。持論ね。素敵な人はすぐに幸せになれる。揺るぎない素敵な心を持つ人は、最後は必ず幸せになれる。素敵な心で世界を捉えられるんだから。君はもうそれを持っていると思うよ。大丈夫、幸せになるべき人だ。それが実現しない世界には「俺がしないわ」。←

 君の理想に対する価値観は、あたたかくてやさしい。最高に素敵な考え方だと思う。君にぴったり。僕も、 いいなあって思う。

ここまで全部の文章はフィクションなんで無視してください。