Temo che combatterò la primavera in blu.

ほとんど昔の、嘘と本当の交じった日記

本を読むためには、まず服を脱ぎます

 本を読むときは清潔でいたい。これは何となく僕が大切にしているポリシーのひとつである。本を読みたいと思ったら、まず最初に己の身体を省みる。汗で髪や身体がベタついていないか?前髪が乱れて目に落ちてきたら集中できないし、頭皮がかゆかったらイヤなのだ。したがってまずは風呂に入ることが先決である。全身を洗い流し髪を乾かせば全て解決する。本音を言えば、全身のありとあらゆる体毛を剃り落として、つるんつるんの肌をベビー・パウダーでさらさらに整えた状態で読書に臨みたい。(まったくの余談だが、佐久間宣之のオールナイトニッポンにて玉裏にベビー・パウダーをはたくと夏場も快適に過ごせるという情報をキャッチした。佐久間さん本人も実践していてかなりイイという噂だ。面白いからやってみたい。)

 次に部屋を省みる。本を読むには快適な環境が必要不可欠だ。まず部屋が汚れていたら、気が散るので片付けたい。洗ってない皿、畳んでいない洗濯物。読書の邪魔になるモノのすべてをスピード・モードで排除していく。テーブルや棚の上を濡れ布巾で拭き取り、窓を開けて空気を入れ替える。最終はエアコンと空気清浄機と除湿機のスイッチを入れるのが望ましい。部屋がむんと蒸し暑いと何故か清潔な感じがしない。また余談だが、お風呂はぬるいと清潔な感じがしない。二つのケースからして、イメージだが外気と身体の間にはパキッと輪郭が通っていて欲しいのかもしれない。そこが曖昧になっていくと自己が拡散するように脳の明瞭ぐあいも落ちていく。こんな事を書いていると潔癖だとか、一々うるせーなとか思われるかもしれない。ただ僕はまったく潔癖症じゃない。ひとりでいるぶんにはずぼらな方だ。ただ本を読むときに関してはまた別なのだ。スマホを眺めているだけなら気にならないのに不思議だ。

 さて、身体も部屋も完璧な状態となった。まずは、疲れたので少し休憩といきたい欲求がこの辺で出てくる。ここで悪魔の囁きに耳を貸してはいけない。分岐を間違えたあなた、読書をせずに終わります。僕も何度も経験しました、大概の社会人は日々の疲れも溜まっているから、ここまでのことをこなすともうHPゲージは赤く点滅してしまう。じゃあ結局本を読めないではないかと絶望するのはまだ早い。ここで僕の発明した革新的なリーディング・メソッドを紹介する。ここまでを終えたら、次は家を出てしまうのだ。折角掃除をしたのに!?と度肝をぬかれたかもしれない。小便をちびるにはまだ早い。次にあなたのやることは住む街から2、3の駅を離れて、具合の良いカフェに入店することだ。カフェの何が良いって、いついかなる時でも心地の良い空間を用意してくれていることである。珈琲のついでにデザートを頼んでもいい、かわいらしいインテリアも気持ちが良い、管理された空調、時間を忘れて読書をすることができる。お店と他のお客さんの迷惑にならないようにだけ気をつけて。あとは心の赴くままに本の世界に没頭すればよい─────

 ────さてここまで自らへお膳立てをしたにもかかわらず、これっでも本が読めないときがある。そんな時は…もうよくない?この日は本を読む日じゃなかった、それだけ。本来ならば本に縛られる必要なんて一切なかった。ここまでにこなしたワークを振り返れば、今日はもう十分良い日だったと言えるよ。正直僕もこういう日が結構ある。スマホなんて面白いものがあるのが悪い。